私でした。ごめんなさい<(_ _)>
と言っても実際の事件ではありません。電子回路設計の話です。
今仕事で、1.5Gbpsの高速シリアル信号の送受信機と中継器の設計をしています。プリント基板は送受信機と中継器の二種類。そのうち、中継器は先週電子部品がはんだ付けされて送られてきて、「火入れ」(最初に電源を入れて、動作が設計通りになっているか確認し、必要があれば回路を修正する)を行ったところ、少しのミスはありましたが、ほぼ一発で動作しました。
続いて送信機のプリント基板に部品が搭載されて手元に届き、火入れを行ったのが4月5日でした。最初電源を入れた設計通りに動いていたのですが、時間が経つにつれ、動作がおかしくなります。下の写真を参照して下さい。

これは何かおかしいぞ、というわけで色々探ってみたら、電源電圧が大きく変動しています(下の写真参照)。

元々この電源電圧を作るために、スイッチング方式のDC-DCコンバータを使ったのですが、23年エンジニアをやってますが、スイッチング方式のDC-DCコンバータを使ったのはこれが初めてなんです。何故かというと、
「スイッチング方式=ノイズが多くて使いづらい」
という思いが強く、1.5Gbpsなどどいう高速信号を取り扱う回路には不向きだ、とずっと思っていたんです。上記波形を見て、「やっぱりスイッチング方式はダメだな」と思ったんです。
つまりスイッチング方式の電源回路を採用したがために、変な現象が起きてしまった、と思った訳です。つまり「スイッチング電源」が、おそらく「容疑者」で、この変な現象を引き起こした「犯人」であろう、と思ったわけですね。
ところがよくよく波形を見てみると、発振周波数が50KHz程度で、スイッチング方式DC-DCコンバータの発振周波数1.1MHzとはかけ離れてます。また、送信機に電源を投入後、しばらくしないとこの現象がでません。
これは変だ、と思ってプリント基板に搭載されている部品を確認してみると、なんと、スイッチング方式DCーDCコンバータに必要な部品が取り付けられていません(下の写真参照。R50とR51が取り付けられていない)。

このR50とR51は、スイッチング方式DC-DCコンバータの安定性を決める回路の一部で、これがないと確かに電源電圧が大きく変動します。
じゃあなぜR50とR51が取り付けられなかったのかを探って行くと、私が作った部品表にR50とR51の記載がありません。
あ゛、私の指示ミスだったんですね(^^;) つまり「真犯人」は「私」。
スイッチング方式DC-DCコンバータさん、容疑者扱いして大変申し訳ない<(_ _)>
R50とR51を取り付けた所、電源変動はなくなり結構きれいな電源になりました(下の写真参照)

この状態で送信機の出力波形は以下の通り。もう振幅変調のような波形ではなく「きれい」です。

さらに1.5Gbpsという高速シリアル信号なので、「アイパターン」を観測してみました(下の写真参照)。

自画自賛ですが、これほどきれいな「アイパターン」は久々に見ました。
ホント「美しい!」
同時に、スイッチング方式DC-DCコンバータを見直しました。うまく設計すればスイッチング方式DC-DCコンバータも低ノイズになり、高速信号を発生させる回路にも十分使えると実感したのでした。